血管の動脈硬化とは

人間の死因の多くは、血管の異常に基づく疾患と悪性腫瘍です。

この2つ疾患にならないような生活を心がければ健康で長生き出来る可能性が高くなります。血管の異常の多くは動脈硬化です。

脳の血管の動脈硬化について説明しましょう。

日本では脳卒中で亡くなる人は近年減少していますが、それでもがんや心臓疾患に次ぐ死因の上位を占めています。

例え死亡しなくても寝たきりや歩行不能や言語障害など介護を必要とする疾患のトップです。脳卒中を大別すると、

  1. 脳梗塞
  2. 脳出血
  3. クモ膜下出血 

になります。

最も多いのが脳梗塞です。

動脈硬化や飛来した血栓(血の塊)や塞栓(血栓以外の組織片など)により血管が詰まれば、その先には血液が灌流しなくなり、脳細胞は死滅します。動脈硬化があると、このようなことが起きやすくなります。必然的に前述の麻痺や言語障害が起きてきます。急性期には血栓塞栓除去術や溶解術を行いますが、長いリハビリを必要とする結果も多く発生します。

最近私たちは、このような麻痺などのある人に点滴で薬剤を注入して後遺症を改善する方法を行って、よい結果を得ています。更にはこの点滴療法で脳梗塞の発作予防にもかなり有望な可能性を得ています。脳血管の改善に役立つとすれば、他の部分、例えば肺や下肢の末梢血管の閉そくの治療にも有効である可能性が高くなってきます。 次回はこの点滴療法について紹介します。