ビタミンDの作用

ビタミンDについての情報はどの程度拡散されているかわかりませんが、おそらくビタミンCに比べるとあまり知られていないと思われます。

日光に当たると生成されるとか、不足すると骨粗鬆症になりやすいといった程度でしょう。

その通りですが、最近の10数年の研究と科学文献によると、ビタミンDの不足は多くの病気に関わっている可能性が高いことが示されています。

心疾患とのかかわりについて述べましょう。心疾患による成人の死亡はほとんどが心筋梗塞です。心筋梗塞の原因には高血圧、糖尿病、動脈硬化などが主として挙げられます。

ビタミンDは直接心筋梗塞を予防する効果はありません。しかし、ビタミンDは血圧の上昇を抑制する効果があります。2007年に米国で発表された研究で血中のビタミンD濃度の低い人は高い人に比べて3~6倍高血圧を発症しやすいという結果が出ています。

その原因の詳細は十分には解明されていませんが、血管の内皮細胞や心筋細胞にはビタミンDの受容体がありそこにビタミンDが作用して動脈硬化の発生を抑えるのではないかということです。

心筋梗塞は心臓の冠状動脈が動脈硬化で狭くなって起こる病気ですからビタミンDが間接的とはいえ心筋梗塞になりにくい状態を後押ししてくれると言えます。