食物として摂取する脂肪酸

脂質とか脂肪と言った場合にはその大部分(95%)はトリグリセリドです。
トリグリセリドは脂肪酸と呼ばれる分子から成り立っています。

脂肪酸には多くの種類があります。大きく分類すると 飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸は動脈硬化を促進するから健康に悪い、不飽和脂肪酸は動脈硬化の原因とならないので体に良いと単純に考えることが多いのではないか。事実はそう単純ではありません。

脂肪酸は炭素原子(C)と水素原子(H)が結合した鎖状の化学物質です。1つの炭素原子に2つの水素原子が結合できますので、その状態を飽和と呼びます。従って1つのCに1つのHしか結合していないものは不飽和というわけです。

脂肪酸にはCが多く連なっているものから少ないものまでいろいろあります。
Cが多いものを長鎖脂肪酸、少ないものを短鎖脂肪酸、その中間を中鎖脂肪酸(Cが6~12個、MCTまたはMCFAと呼んでいる)と言います。この炭素鎖の長さはとても重要で食物の消化や代謝など健康に影響を与えます。自然界の脂肪酸はほとんどが長鎖脂肪酸です。効率が良いエネルギー源なので体内で貯蔵するには都合がよい物質です。

食物として摂取する脂肪酸はほとんどが長鎖脂肪酸ですが、例外があります。ココナツオイルです。ココナツオイルの64%は中鎖脂肪酸です。ココナツオイルはしばらく前からどこでも購入できるようになりました。次回はココナツオイルの健康効果について述べてみます。